今回は、協会けんぽの加入で受けられる健診や検査の種類を紹介しました。後半では、健診費用や健診を受ける流れについても解説しています。「協会けんぽの健診について知りたい!」と考えている方は、ぜひ参考にしてみてください。
主に中小企業の社員やその家族が加入している「協会けんぽ」。
健康経営が重要視されている近頃、「協会けんぽの健診について詳しく知りたい!」と考えている方は多いのではないでしょうか。
そこで、今回は協会けんぽの加入で受けられる健診や検査の種類について解説します。
さらに、協会けんぽの健診費用や健診の受け方も紹介するので、ぜひチェックしてみてください。
協会けんぽとは
協会けんぽとは、主に中小企業の社員(被保険者)や扶養されている家族(被扶養者)が加入している健康保険です。
協会けんぽの役割は、大きく分けると以下の2つが挙げられます。
- 被保険者や被扶養者の医療費を一部負担する
- 被保険者や被扶養者の健康保持や増進を図る
上記2つ目の事業として、提供されているのが健康診断(健診)です。
被保険者と被扶養者は、それぞれ年に1回健診費用の一部を負担してもらえます。
健康経営がクローズアップされている現代だからこそ、協会けんぽの健診についての概要をぜひ押さえておきましょう。
【協会けんぽ被保険者編】受けられる健診の種類
協会けんぽの被保険者が受けられる健診は以下の5つです。
- 一般健診
- 子宮頸がん検診
- 付加健診
- 乳がん・子宮頸がん検診
- 肝炎ウイルス検査
健診費用の補助を受けられる年齢はそれぞれ異なるので、注意してください。
では、それぞれどのような健診なのか解説します。
1.一般健診
「一般健診」とは、生活習慣病の予防や早期発見のために行なわれる35〜74歳が対象の健診です。
当日は、診察や問診、尿検査や血液検査など、約30項目の検査を行います。
全て生活習慣病の早期発見に必要な項目なので、担当医師からの指導がない限り全て受診しなければいけません。
一度にたくさんの検査を行うことができる一般健診ですが、35歳未満の方は協会けんぽからの補助をもらって受診できないので注意しましょう。
2.子宮頸がん検診
「子宮頸がん検診」とは、20〜38歳の偶数年齢である女性が受けられる健診です。
単独で受診することができるので、例えば一般健診を受けられない22歳の女性も子宮頸がん検診を行なえます。
子宮頸がん検診では、問診と細胞診を受けられ、自己採取による検査は実施していません。
20〜40代の女性で近年増加している子宮頸がんは、発症してすぐに自覚症状がないことが多いです。
定期的な健診を行うことで、早期発見へと繋げていきましょう。
3.付加健診
「付加健診」とは、一般健診の項目をさらに増加させた健診です。
一般健診を受診する40歳と50歳が対象者であり、尿沈渣顕微鏡検査や血液学的検査など、より専門的な健診を受けられます。
生活習慣病の予防や様々な病気の発見が可能なので、対象年齢の方はぜひ受診しておくべきでしょう。
ちなみに、医療機関によっては肺機能検査を実施していないこともあるため、希望する方は事前に確認しておいてください。
4.乳がん・子宮頸がん検診
「乳がん検診」とは、一般健診を受診する40歳以上の偶数年齢である女性が対象の健診です。
問診や乳房エックス線検査、さらに医師の判断によっては視診や触診が行なわれます。
40〜48歳の被保険者と50歳以上の被保険者では、検査の撮影方法が異なるため、自己負担額が変わることを押さえておきましょう。
また、こちらで紹介する「子宮頸がん検診」は、先ほどお伝えした単独で受診できるものとは異なり、一般健診を受診する36〜74歳で偶数年齢の女性が対象の健診を指します。
当日は問診や細胞診を行い、自己採取による検査は実施されません。
5.肝炎ウイルス検査
「肝炎ウイルス検査」とは、B型肝炎ウイルスとC型肝炎ウイルスへ感染しているのか調べる検査です。
一般健診を受診する35歳以上の方が対象者ですが、過去にC型肝炎ウイルス検査を受けた方は対象外とされています。
当日は、HCV抗体検査とHBs抗原検査によって感染の有無を把握することが可能です。
肝臓は「沈黙の臓器」と言われており、肝炎ウイルスに感染しても気付かない方は多く見られます。
しかし、放っておくと慢性肝炎や肝がん、肝硬変などに進行するので、早期発見や早期治療に努めましょう。
検査の種類
協会けんぽの被保険者が検査できるのは以下の項目です。
年齢などによって受診できる項目が異なるので、詳しくは協会けんぽのHPを覗いてみてください。
検査できる項目17つ |
1.診察 2.血圧 3.脂質 4.肝機能 5.代謝系 6.血液一般 7.尿・腎臓機能 8.呼吸系 9.心機能 10.肺 11.胃 12.大腸 13.眼底 14.腹部超音波 15.肺炎ウィルス 16.子宮頸がん 17.乳がん |
【協会けんぽ被扶養者編】受けられる特定健診
協会けんぽの被扶養者は、特定健診を受けることができます。
こちらでは、特定健診とはどんなものなのか、またどんな検査を受けられるのかについて紹介しましょう。
特定健診とは
「特定健診」とは、40〜74歳の被扶養者が対象の健診です。
糖尿病や高血圧症、脂質異常症などの生活習慣病に関するリスクを検査し、健康状況を改善させることを目的に実施されています。
特定健診の項目
特定健診で検査できる項目は以下の通りです。
検査できる基本項目8つ |
1.診察 2.問診 3.身体計測 4.血圧測定 5.血中脂質 6.肝機能 7.血糖 8.尿 |
医師の判断で検査できる項目4つ |
1.心電図 2.眼底 3.貧血 4.血清クレアチニン |
協会けんぽの健診を受ける費用は?
協会けんぽの健診は、対象年齢であればそれぞれ補助が受けられます。
こちらでは、被保険者と被扶養者に分けて自己負担額を解説しましょう。
被保険者の自己負担額
被保険者が負担するべき金額は以下の通りです。
健診の種類 | 自己負担額 |
一般健診 | 最高7,169円 |
子宮頸がん検診 | 最高1,039円 |
付加健診 | 最高4,802円 |
乳がん検診 | 40~48歳:最高1,686円50歳以上:最高1,086円 |
肝炎ウイルス検査 | 最高624円 |
被扶養者の自己負担額
被扶養者の健診費用は健診機関によって異なります。
自己負担額は協会けんぽの負担額を引いた料金になるので、参考にしてみてください。
健診の種類 | 協会けんぽの補助額 |
基本的な健診のみ | 上限7,150円 |
詳細な健診(医師の判断で受診できる) | 上限3,400円基本的な健診と合わせると上限10,550円 |
協会けんぽの健診を受けるには?
協会けんぽの健診を受けるには、どのような手順を踏めばよいのでしょうか?
被保険者と被扶養者に分けて受診までの流れを紹介しましょう。
被保険者の受け方
被保険者が健診を受ける場合は、主に事業者が申し込みを行います。
具体的な流れは以下の通りです。
- 事業所に健診の案内が届く
- 事業者が受診を希望する医療機関に予約をする
- 健診を受診する
なお、肝炎ウィルス検査を受診する場合は、プライバシーの関係から希望する本人が直接予約を行います。
被扶養者の受け方
被扶養者が健診を受ける場合は、以下の流れで行いましょう。
- 被扶養者に特定健康診査受診券が届く
- 被扶養者が受診を希望する医療機関に予約をする
- 健診を受診する
受診できる医療機関は、協会けんぽのHPに掲載されているので、近いところを予約してみてください。
まとめ|協会けんぽの健診で生活習慣病を予防しよう!
今回は、協会けんぽで受けられる健診の種類や費用について紹介しました。
健診は、生活習慣病の早期発見や健康状態の改善につながるので、ぜひ受診してみましょう。
「健診の予約を行う時間がない!」という事業者の方は、「メディカルサポート 健康診断業務代行」へ相談してみてください!