傷病手当金には医師の証明書が必要?受けられる条件や期間や金額など徹底解説

「従業員が怪我をして休職することになったので、傷病手当金の手続きが必要になった」

「従業員が病気で長期間の休職期間に入ることになったけれど、これは傷病手当金が受給できる?」

万が一のことで仕事ができなくなった時に、助けてもらえる制度が傷病手当金です。

とはいえ、普段利用することが少ないと、どのようなものなのかということや、制度の内容について知らないことも多いのではないでしょうか。

そこでこちらの記事では、傷病手当金についての詳しい情報や、受給のための条件、受給できる金額や期間について詳しく紹介します。

傷病手当金について詳しく知りたい人は、ぜひ最後までご覧ください。

傷病手当金とは

まずはじめに、傷病手当金とはどのようなものなのか、どのぐらいの期間受給できるのかなど、気になるポイントを解説します。

健康保険に加入し、仕事をしている人はお世話になるかもしれない制度なので、きちんと把握しておきましょう。

業務外での怪我や病気で休職する際に受給できる

傷病手当金は、業務以外の場面で起きた怪我や病気によって、治療や休養が必要になり休職することになった場合に受給できる手当です。

もし、業務内で事故などが起こった場合は、労災認定されそちらの手当が支給されることになります。

傷病手当金を受給するためには、受給条件を満たす必要があります。条件については、後ほど詳しく紹介するので、続きをご覧ください。

傷病手当金は医師の証明書が必要

傷病手当金を受給するためには、医師による診断書や証明書が必要になります。

傷病手当金の申請書には、主治医の意見を記入する部分があるからです。

例えば、交通事故に遭い足を骨折してしまい、1ヶ月ほど自宅で安静にすることになったとして、それをきちんと書面で証明してもらわなければなりません。

医師の診断書は、病院によって異なりますが、おおよそ数千円から1万円程度で発行してもらえます。

最長1年6ヶ月受給できる

傷病手当金は、受給開始から最長で1年6ヶ月受給することができます。

注意しなくてはいけない点として、はじめに受給してから一度復帰をして、再度休職した場合です。

この際、復帰をした期間も1年6ヶ月の中に含まれるので、最長期間分を受給できなくなることを覚えておきましょう。

また、休職期間が伸び、1年6ヶ月よりも長くなった場合でも、それ以上の受給は認められないので注意が必要です。

傷病手当金の受給対象になる条件

それでは、ここからは、傷病手当金の受給対象になる条件について、詳しく確認していきましょう。

傷病手当金の受給ができるのは、以下の4つの条件に当てはまる人に限られます。

  • 業務外での病気や怪我で休職する場合であること
  • 業務ができる状態にないこと
  • 怪我や病気が原因で連続する3日間を含み4日以上仕事を休んだこと
  • 休業中、給与が支払われないこと

上から順にチェックしていきましょう。

業務外での病気や怪我で休職する場合であること

先ほども書いたように、傷病手当金を受給できるのは、休職の理由が業務外の怪我や病気であることが条件となります。

業務内の事故などが原因で休職する際は、労災手当の受給対象となるからです。

休職理由がどちらの対象になるのかで、申請方法も異なるので注意しましょう。

業務ができる状態にないこと

病気や怪我の状態が悪く、休養や治療が必要で、その期間は業務ができる状態にないというのが確認できないと、傷病手当金の受給資格はありません。

業務ができる状態にない、ということを判定してくれるのが、主治医による診断書となります。

主治医の診断書に、きちんと「どれだけの期間仕事を休んで治療する必要があるのか」「その期間中は仕事をすることができない」というようなことを明記してもらいます。

また、傷病手当金の申請書には、医師の意見を書いてもらわなくてはなりません。そこで、業務ができる状態ではないことを書いてもらうことで、受給対象となります。

怪我や病気が原因で連続する3日間を含む4日以上仕事を休んだこと

傷病手当金は、その怪我や病気が原因で連続する3日間を含む4日以上仕事を休んだ時に支給されます。

つまり、以下のような条件では支給対象外です。

  • 休職期間が3日以下だった
  • 連続休職日数が2日以下だった

反対に、連続する3日間を含む4日以上の休職から、最長で1年6ヶ月の期間まで支払われるということになります。

休業中、給与が支払われないこと

傷病手当金を受給するためには、休業中に給与が支払われないことが条件になります。

例えば、仕事を休んでもその分を有給休暇で賄うことができるなら、それは傷病手当金の受給対象外です。

もし有給休暇が使えるなら、こちらの方が支払額が大きくなるので優先して使う方がいいでしょう。

有給休暇を使い切ってしまい、休職したら無給になる状態になった時に、傷病手当金を受給し始めるケースが多いです。

傷病手当金を受給する手続き方法

それでは、傷病手当金を受給するための手続き方法について紹介します。

ざっくりとした手続きの流れは、以下の通りです。

  1. 傷病手当金支給申請書に必要事項を記入(1,2枚目)
  2. 主治医の意見を記入(4枚目)
  3. 事業主の証明をする(3枚目)
  4. 全国健康保険協会・健康保険組合に申請書を提出

傷病手当金支給申請書は全部で4枚あり、次のような内容となっています。

  • 1,2枚目は被保険者情報(氏名、生年月日、住所、電話番号、振込先口座、申請理由など)
  • 3枚目は事業主記入(被保険者氏名、勤務状況、賃金の有無などの状況、事業主所在地や名称など)
  • 4枚目は療養担当者(医師)記入(患者氏名、傷病名、初診日や発病・負傷の年月日

、業務不能期間など、発病・負傷の原因など、医療機関の住所や名称、医師の氏名)

それぞれを担当者が記載し、全ての申請書が埋まったら全国健康保険協会か健康保険組合に提出することで申請できます。

傷病手当金の支給額の計算方法

傷病手当金を受給できることになった場合、その支給額がいくらになるのかは計算して把握することができます。

まず、直近12ヶ月の標準報酬月額の平均月額を割り出します。標準報酬月額とは、毎月の給料の月額金額をわかりやすい幅で区切ったものです。その標準報酬月額を30日で割り、日割り額を計算します。傷病手当金は、その2/3がけにした金額となります。

標準報酬月額の月額平均が30万円だった人を例に挙げて、実際に傷病手当金がいくら支給されるのか見ていきましょう。

300,000円 ÷ 30日 =10,000円/日

10,000円 × 2/3 = 6,670円/日

計算式から分かる通り、標準報酬月額が30万円の人が傷病手当金を受給することになった場合、1日あたり6,670円程度支給されるということです。

傷病手当金について詳しく確認しておこう

こちらの記事では、傷病手当金についての詳しい内容や手続き方法、支給額の計算方法などについて、詳しく紹介しました。

傷病手当金は、万が一の怪我や病気で働けなくなった時に非常にありがたい制度です。従業員を抱えている企業の場合、いつ従業員が傷病手当金を使うようなことが起こるとも限らないため、きちんと制度を把握しておくことが大切です。

申請書を用意したり、健康保険組合に提出したり、企業として従業員のサポートをしていく必要があるので、もしもの場合に備えて手助けできるようにしておきましょう。

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